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執筆者
shimpei
細川真平 1964年生まれ。音楽ライター/エディター。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイ・ヴォーン他のCD/DVDのライナーを手がける。また、音楽誌、ギター誌、ウェブ等にも幅広く執筆。
ギターは絶対ストラト主義。
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やっぱ、コンデンサーでっさ
2012年09月27日
前回は、ギター「愛好者」と「オタク」の境界線について書いたのですが、その後あるギター好きの人と話しをする機会がありまして。
そしたら、コンデンサーの話をきっかけにズブズブとオタクな世界に入っていき、出てくる単語がまたカンペキに前回のシミュレーションどおりで、思わず笑ってしまうほど書いたとおりの展開になって、自分でも感心してしまいました(笑)。

それはさておき、実は前回はコンデンサー(キャパシターとも言います)について書こうと思って前置きをしていたら長くなってしまったのでした。
なので、今回はその話です。

エレキ・ギターのサウンドを決める要因はいくつもあって、もちろん最後は指! なのも確かなのですが、ここではいったんそこを離れて話を進めます(じゃないと終わっちゃうので)。
また、木が大事というのも当然のことで、エレキ・ギターもギターですから、そのへんはアコースティック・ギターと同じなのではないかと思います。
では、電気楽器としてエレキ・ギターを考えた場合に、サウンドを決めるいちばんの要因は何でしょう?
そう問われると、ピックアップと答える方が多いと思います。
もちろんそれも大事なのですが、僕はあえてコンデンサーと答えます。
なぜなら、ピックアップはもちろん大事なのですが、どんなにいいピックアップを使っていても、コンデンサーがダメだとその能力を最大限に発揮できないと思うからです。
だから、音をグレードアップしたいからと言ってピックアップを替えるぐらいなら、まずはコンデンサーを替えるべきではないでしょうか。
普通はその方が安いし(笑)。

なぜこんなことを力説するかと言うと、大量生産メーカーのギターに使われているのはチープなコンデンサーが多いと思うからです。
これはコスト削減のためなのでしょうか? でも、削ってはいけないコストなのではないかと、個人的には感じるのですが……。
本来もっといい音がするはずなのに、その実力を発揮できずに評価されるというのでは、ギターがかわいそうです。

メーカーは、木がどうだ、塗装がどうだ、ピックアップがどうだという宣伝はしますが、コンデンサーはこれを使っています! という宣伝は普通はしません(宣伝するほどのものを使っていないので当然ですが)。だから、その重要性をユーザーもなかなか気づかないんですね。
そのためにコンデンサーはオタクの領域、となってしまうのでしょうが、それはもったいないと思います。
コンデンサーはオタクの領域じゃない! ごく一般的なギター愛好者の範疇だ! という時代になることを、僕は願ってやみません。
だって、本当にそれぐらい音に影響するから。

女子高生ギタリストたちが電車の中で、「私のギター、コンデンサーがオレンジ・ドロップだから、ガチでいい音でしょ!」なーんて話していたら素敵ではありませんか!(違うかな……笑)。
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愛好者とオタクの境界線
2012年09月14日
どんな興味・関心・趣味の分野にも、「愛好者」と「オタク」がいるような気がします。
最初は「愛好者」から始まるのですが、ハマる度合いが進むにつれ、「オタク」に近づいていきます。
もちろんその手前で止まる人や、引き返す人や、まったくその世界から足を洗う人もいるのですが、いったん「オタク」の領域に足を踏み入れるとなかなか抜け出すことは難しくなります。

で、この「愛好者」と「オタク」の間には境界線があるような気がするのです。
この一線を越えると「オタク」の領域……みたいな。

ギターの世界にも、間違いなくその境界線があります。
僕のまわりにはギター好きがかなり多いので、飲んでいるときはもちろん(笑)、いろんな機会にギターの話をすることが多いのですが、その中で経験的に、「あ、ここから先はオタクの領域だな」と気づいた境界線があります。

それは、コンデンサー。

では、飲みながらギター話をしている場面をシミュレーションしながら、考察していきましょう。
上から下へ向かって、酒が進むと同時に話が深まっていく過程と思ってください。
また、この間に本当はエフェクターやアンプやケーブルなどの話も挟まってくるのですが、単純化するためにここでは割愛します。

まずは、かんぱ~い!

お互いの好きなギタリストの話(愛好者レベル)

好きな曲、アルバムの話(愛好者レベル)

自分の持っているギター紹介(愛好者レベル。ただし、この時点で相手のオタク度に気づく場合アリ。危険を感じて引き返すならここ)

上と前後しつつ、好きなギターのタイプ(ストラトだ、テレキャスだ、レス・ポールだ)の話(愛好者レベル。引き返すならこのあたりが最後)

ピックアップの話(若干オタク領域に近づく。ただし、「ディマジオ」「セイモア・ダンカン」「EMG」あたりまではセーフ。「リンディ・フレイリン」「ジェイソン・ローラー」「トム・ホームズ」「K&T」「グリニング・ドッグ」とか言い出すと危険度増大)

弦高、ピックアップの高さ、ストラトのブリッジ関連等、セッティングの話(もう一歩オタク領域に近づく。同時に自己主張度も増大。キーワードは「フローティング/ベタ付け」「アーム・アップ」「12フレットで何㎜?」など))

材の話(さらにオタク領域に近づく。キーワードは「ハカランダ」「アッシュ・ワンピース」「柾目・追柾目・板目」「バーズ・アイ」「フレイム」など)

塗装の話(かなりオタク領域に近づく。ここから先に進めるかどうかのキーワードは「ニトロセルロース・ラッカー」)

ビンテージ・ギターの年代ごとの仕様の話(ほぼ境界線まで来ている。キーワードは「プリCBS」「トランジション・ロゴ」「ホワイト・ガード/グリーン・ガード」「グレイ・ボビン」「ノーキャスター」「パフ」「ドッグ・イヤー/ソープ・バー」「ハット・ノブ/スピード・ノブ」など)

コンデンサーの話(ここが境界線。ここから先はオタクの領域。キーワードは「セラミック」「オイル・ペーパー」「スグラグ」「サークルD」「バンブルビー」「ビタミンQ」「マイクロファラド」など。愛好者はここでハッピー・リタイアメント!)

ブリッジ、サドル、ペグなどのパーツの形状の話、特に現行品とビンテージとの違いを気にする(オタク。キーワードは「スティール・ブロック」「ブロックの穴の深さ・浅さ」「クルーソン・ダブル・ライン」「ゴトーのはさあ」など)

ブリッジ、サドルなどの素材(鉄だ、それもどんな鉄だ、アルミだ、チタンだ、みたいな)や、その塗装方法の話(けっこうオタク。キーワードは「カラハム」「ロウ・ヴィンテージ」「KTS」など)

配線材の話、特にビンテージ・ワイアーがどうのこうの(かなりオタク。キーワードは「ベルデン」「ウエスタン・エレクトリック」など。また、このあたり以降、「ギャレット・オーディオ」という単語(ショップ名)もよく聞かれるようになります)

半田の種類で音がどうのこうのという話(ちょっとビョーキ。キーワードは「ケスター44」「ビンテージ半田」「銀入り」など)

ネジ、そしてネジの締め具合で音がどうのこうのという話(カンペキにビョーキ)

と、まあ、前後することはあるでしょうが、大体こういう流れではないかと思います。
ですので、愛好者の皆さん、いくらお酒が進んでも、「コンデンサー(キャパシターとも言います)」という単語が出てきた瞬間に身構えてください。
そして、来てはいけないところまで来てしまったことを自覚し、トイレに逃げ込むとか、電話がかかってきたふりをしていったん店外に逃げ出すとか、酔いつぶれたふりをするとかの自己防御をしてください。
こういう方たちを相手にして話題を変えるのは、よっぽどエッチな話でもない限り無理だと心得てください。

もしくは。
「あ、あなたオタクなんですね。ははは、僕はオタクじゃありませんから。コンデンサー? 何それ、食えるんですか?」と言い放って、さっさとお会計を済ませて店をあとにするというのも手です。
そして、ぜひどこかで、「ふう、今日は参ったなあ。コンデンサーだって? ヤバイ、ヤバイ……」と呟きながら飲み直しをしてください。

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