月曜の朝、3時半。
なんだかサイモン&ガーファンクルの曲名みたいだけどそうじゃなくて、今このときがそうなのだ。
さっき、原稿を1本書き終わった。
本当は金曜が締め切りだったのだが、金曜いっぱいでいいということは、月曜の朝(昼?)に編集者が会社へ行ったときに原稿が来ていれば同じことだ、と勝手な解釈をして、締め切りを自主的に延ばした(笑)。
いつも基本的には締め切りを守るぼくなので、これぐらいは許してもらえるだろう。
ぼくが編集者だったころは、「これ以上遅れたらページが白くなりますよ!」と半分脅しの電話をせざるを得ないことだってよくあったのだ。
それに比べれば、ぼくは優秀なライターだ。
少なくとも、締め切りを守ることに関しては(笑)。
さて、その原稿はジェフ・ベックの5月に出るライヴ盤に関してのものだった(アルバムのライナーもぼくが執筆している)。
それで、ジェフのライブの音作りについて自分なりに調べたり、それより何より何度も何度も音源を聴き返すうちに、気になるエフェクターが出てきた。
マエストロのリング・モジュレーター。
リング・モジュレーターというのは、原音の音程を変えて出力するエフェクターで、強くかけすぎるとわけがわからなくなる、一種の飛び道具。
だが、穏やかに使うと微妙な音の変化を作ってくれて、なかなかいい隠し味になる(穏やかに、かつ上手く使えば、だ)。
ジェフ・ベックは、これをけっこう使っている。
たとえば『ワイアード』の「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」のような、静か目の聴かせるタイプの曲でも使っているし、ハードな「蒼き風」でも使っている(と思われる)。
また、同時期の『ライヴ・ワイアー』でも聴ける。
'05年の日本公演でも、しっかりスタンバイされていた。
ただし、ジェフの足元にはオーヴァードライヴとワウしか置いていなくて、それ以外はステージ脇でギター・テクが操作するようになっている。
ということもあって、なかなかどのエフェクターをどのタイミングで使っているかが判断しにくいのだ。
だが、ビリー・コブハムのカヴァー「ストレイタス」や「蒼き風」ではリング・モジュレーターを使っていたと思う。
それ以外でも、曲の中の一部などで、けっこう使われていたのではないかと思うのだ。
それは、今月出る『ライヴ・ベック'06』を繰り返し聴いていて、より思うようになったことだ。
だが、自分で試してみないと、どこでどう使われているのかがいまひとつ判然としない。
というわけで、リング・モジュレーターがすごく欲しくなってきた。
マエストロ製は今やヴィンテージ・エフェクターで手が出ない。
それ以前に、タマがない。
現行品があるのはMOOG。
そう、あのシンセを作ったMOOGだ。
リング・モジュレーター自体、もともとシンセ用エフェクターという出自のようだし。
ああそうか、これもヤン・ハマーがジェフに教えた悪い遊び道具だったということか(笑)。
しかし、MOOGのも高いな……。
※写真はマエストロのリング・モジュレーター。