六弦一会:
みんなちがって、みんないい
2012年07月20日
ここのところ、某出版社から出るギター名盤ガイド的な本の執筆をしています。
何人かの書き手に対して編集部から振り分けられた作品について、特徴や聴きどころや機材等について紹介していくわけです。
リストはジャンルごとにアーティストのアルファベット順で並んでいますので、こちらもそのとおりに執筆していきます。
どんな順で書いてもいいわけですが(締め切りに間に合いさえすれば)、順番を考える時間も無駄ですので。
当然、そのアルバムを聴いて書くわけですが、自分の気分や意向とは関係なしに、けっこうな量のアルバムを聴いていく作業は、かなり面白いです。
例えば、ロック/パンクの項目で僕が担当しているアーティストは下記のとおりです(アルバム名は割愛)。
フー・ファイターズ
エイモス・ギャレット
ジョージ・ハリスン
ジャニス・ジョプリン
ダニー・コーチマー
クーラ・シェイカー
ジョン・レノン
リトル・フィート
オアシス
プリテンダーズ
クイーン
レディオヘッド
ラモーンズ
トッド・ラングレン
Tレックス
ジョー・ウォルシュ
ニール・ヤング
フランク・ザッパ
そうすると、フー・ファイターズでパワーをもらい、エイモス・ギャレットに痺れ、ジョージ・ハリスンにうっとりし、ジャニス・ジョプリンでサイケ気分になり、ダニー・コーチマーに改めて感動し、クーラ・シェイカーで盛り上がり、ジョン・レノンでロックンロールな気分になり、リトル・フィートで揺れ、オアシスに大英帝国を感じ、プリテンダーズでクリッシー・ハインドに恋をし直し、クイーンにやられ、レディオヘッドで心地好く落ち込み、ラモーンズでアッパーになり、トッド・ラングレンで泣きそうになり、Tレックスでグラマラスに持ち直し、ジョー・ウォルシュで乾いた風を感じ、ニール・ヤングでまたもや泣きそうになって、フランク・ザッパで変態を感じる……みたいな、あっち行ったりこっち行ったり、浮いたり沈んだり、いろんな気分を味わわされて、もう大変です(笑)。
しかし、こうして聴いていくと、本当にギター・プレイもサウンドも、十人十色だなあと改めて思わされます。
エイモスのようなギターを歌わせる達人もいれば、ジョニー・ラモーンのようなほとんどがダウン・ストロークの荒くれたカッティングのみという人もいて。
そして、そのどちらが優れているということはないのです。
どちらも素晴らしい。
ただ違うだけ。
そして、違うから素晴らしい。
こういう聴き方をしていると、心の底からそう思えます。
……みんなちがって、みんないい。
わ、金子みすずの偉大さにも気づいてしまいました(笑)。
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