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執筆者
shimpei
細川真平 1964年生まれ。音楽ライター/エディター。
ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイ・ヴォーン他のCD/DVDのライナーを手がける。また、音楽誌、ギター誌、ウェブ等にも幅広く執筆。
ギターは絶対ストラト主義。
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<Harmony Centralの歩き方 |TOP| やっぱ、コンデンサーでっさ>
愛好者とオタクの境界線
2012年09月14日
どんな興味・関心・趣味の分野にも、「愛好者」と「オタク」がいるような気がします。
最初は「愛好者」から始まるのですが、ハマる度合いが進むにつれ、「オタク」に近づいていきます。
もちろんその手前で止まる人や、引き返す人や、まったくその世界から足を洗う人もいるのですが、いったん「オタク」の領域に足を踏み入れるとなかなか抜け出すことは難しくなります。

で、この「愛好者」と「オタク」の間には境界線があるような気がするのです。
この一線を越えると「オタク」の領域……みたいな。

ギターの世界にも、間違いなくその境界線があります。
僕のまわりにはギター好きがかなり多いので、飲んでいるときはもちろん(笑)、いろんな機会にギターの話をすることが多いのですが、その中で経験的に、「あ、ここから先はオタクの領域だな」と気づいた境界線があります。

それは、コンデンサー。

では、飲みながらギター話をしている場面をシミュレーションしながら、考察していきましょう。
上から下へ向かって、酒が進むと同時に話が深まっていく過程と思ってください。
また、この間に本当はエフェクターやアンプやケーブルなどの話も挟まってくるのですが、単純化するためにここでは割愛します。

まずは、かんぱ~い!

お互いの好きなギタリストの話(愛好者レベル)

好きな曲、アルバムの話(愛好者レベル)

自分の持っているギター紹介(愛好者レベル。ただし、この時点で相手のオタク度に気づく場合アリ。危険を感じて引き返すならここ)

上と前後しつつ、好きなギターのタイプ(ストラトだ、テレキャスだ、レス・ポールだ)の話(愛好者レベル。引き返すならこのあたりが最後)

ピックアップの話(若干オタク領域に近づく。ただし、「ディマジオ」「セイモア・ダンカン」「EMG」あたりまではセーフ。「リンディ・フレイリン」「ジェイソン・ローラー」「トム・ホームズ」「K&T」「グリニング・ドッグ」とか言い出すと危険度増大)

弦高、ピックアップの高さ、ストラトのブリッジ関連等、セッティングの話(もう一歩オタク領域に近づく。同時に自己主張度も増大。キーワードは「フローティング/ベタ付け」「アーム・アップ」「12フレットで何㎜?」など))

材の話(さらにオタク領域に近づく。キーワードは「ハカランダ」「アッシュ・ワンピース」「柾目・追柾目・板目」「バーズ・アイ」「フレイム」など)

塗装の話(かなりオタク領域に近づく。ここから先に進めるかどうかのキーワードは「ニトロセルロース・ラッカー」)

ビンテージ・ギターの年代ごとの仕様の話(ほぼ境界線まで来ている。キーワードは「プリCBS」「トランジション・ロゴ」「ホワイト・ガード/グリーン・ガード」「グレイ・ボビン」「ノーキャスター」「パフ」「ドッグ・イヤー/ソープ・バー」「ハット・ノブ/スピード・ノブ」など)

コンデンサーの話(ここが境界線。ここから先はオタクの領域。キーワードは「セラミック」「オイル・ペーパー」「スグラグ」「サークルD」「バンブルビー」「ビタミンQ」「マイクロファラド」など。愛好者はここでハッピー・リタイアメント!)

ブリッジ、サドル、ペグなどのパーツの形状の話、特に現行品とビンテージとの違いを気にする(オタク。キーワードは「スティール・ブロック」「ブロックの穴の深さ・浅さ」「クルーソン・ダブル・ライン」「ゴトーのはさあ」など)

ブリッジ、サドルなどの素材(鉄だ、それもどんな鉄だ、アルミだ、チタンだ、みたいな)や、その塗装方法の話(けっこうオタク。キーワードは「カラハム」「ロウ・ヴィンテージ」「KTS」など)

配線材の話、特にビンテージ・ワイアーがどうのこうの(かなりオタク。キーワードは「ベルデン」「ウエスタン・エレクトリック」など。また、このあたり以降、「ギャレット・オーディオ」という単語(ショップ名)もよく聞かれるようになります)

半田の種類で音がどうのこうのという話(ちょっとビョーキ。キーワードは「ケスター44」「ビンテージ半田」「銀入り」など)

ネジ、そしてネジの締め具合で音がどうのこうのという話(カンペキにビョーキ)

と、まあ、前後することはあるでしょうが、大体こういう流れではないかと思います。
ですので、愛好者の皆さん、いくらお酒が進んでも、「コンデンサー(キャパシターとも言います)」という単語が出てきた瞬間に身構えてください。
そして、来てはいけないところまで来てしまったことを自覚し、トイレに逃げ込むとか、電話がかかってきたふりをしていったん店外に逃げ出すとか、酔いつぶれたふりをするとかの自己防御をしてください。
こういう方たちを相手にして話題を変えるのは、よっぽどエッチな話でもない限り無理だと心得てください。

もしくは。
「あ、あなたオタクなんですね。ははは、僕はオタクじゃありませんから。コンデンサー? 何それ、食えるんですか?」と言い放って、さっさとお会計を済ませて店をあとにするというのも手です。
そして、ぜひどこかで、「ふう、今日は参ったなあ。コンデンサーだって? ヤバイ、ヤバイ……」と呟きながら飲み直しをしてください。


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