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シカゴ・ブルース・シーンで10年以上にわたって活躍する菊田俊介、彼のグルーヴ感溢れるパワフルで確実なギターは本場のファンもうならせている。
2000年秋からはココ・テイラーのブルース・マシーンのメンバーに抜擢。
昨年のジャパン・ブルース&ソウル・フェスティバルでのココのステージでの彼の演奏ぶりはまだ記憶に新しいところだ。
彼の日本でのアルバム・リリース時にはいろいろサポート。
1994年のアルバム『ファンキー・ブルース』のシカゴ・レコーディングに立ちあわせてもらったこともある(スタジオにはココ、ジュニア・ウェルズも姿をみせた)。
以来、シカゴや東京で何度となく彼のステージを楽しんでいる。
そして2月16日、高円寺/JIROKICHIでの≪Rising Shun Japan Tour 2008≫の初日をじっくりと味わった。
今回は、タイトルでもお分かりのように俊介のレイテスト・アルバム『Rising Shun』をフィーチャーしてのライヴ。
『Rising Shun』にはココ・テイラー、JWウィリアムス、ジェラルド・マクレンドン、ビリー・ブランチらとともに日本からもJamsbeeが参加。
この日のステージにはもちろん彼らも俊介にジョイントした。
ファースト・セットは「Let’s Jam」で幕開け、「When You Feel Lonely」「Love On Track」と最新作からのナンバーが続く。
超満員の会場は早くもヒート・アップ。
ところで、最近はそうでもなくなったけど、日本ではブルース・ミュージシャンがR&Bやロックを気軽に取り上げてくれなかったりする。シカゴのブルース・クラブではメンフィス・ソウルや懐かしのR&B、ロックのスタンダードなどがBLUESになってしまう。
ブルースでダンスするのもあたりまえだったり。
俊介はシカゴのブルースマンだからそのあたりはごく自然に体にしみついている。
4曲目にはビートルズの「Yer Blues」(ボトル・ネック!)、5曲目はジェームス・ブラウンの「It’s A Man’s Man’s Man’s World」、この2曲とも最新作に収録されている。
JBに捧げる気持ちは、ローリング・ストーンズも菊田俊介もミュージシャン同志ということでよく理解できる(ストーンズは前回のツアーでJBナンバーをセットリストに加えた)。
ファーストの後半はレイテスト・アルバムからオリジナルで「Look Out Baby」。
スウィンギーなテイストを加味して俊介のヴォーカルがとてもソフィストケイトされているのが印象的。
そして懐かしの96年のセカンド・リーダー・アルバム『Chicago Midnight』のタイトル・ソング。
ファースト・セットの最後は『Respect The Stones』から「Miss You」、観客も加わって大いに盛り上がった。
97年に俊介とふたりでシカゴ/ダブル・ドア、観客が400人のストーンズ・シークレット・ギグにもぐりこんだことを思い出す。
セカンド・ステージも『Rising Shun』からのナンバーが中心に進む。
フレディ・キングの名作「The Stumble」、ファンキーな「Double Faced」、シュガー・ブルーとの思い出を曲にしたオリジナル「Old Soul」。
「Old~」でのスピリチュアルな演奏に心打たれる。
そして、俊介をブルースの世界へ導いたB.B.キングの(今年のシカゴ・ブルース・フェスティバルにB.B.は久々に出演する。
ココ・テイラー&ブルース・マシーンも!)「Everyday I Have The Blues」。
俊介が力強くシャウトしながらまさにブルースの魅力を100パーセント出し切ったステージング。
「Cold, Cold Feeling」ではゲストに松川純一郎が登場。
ふたりのギター・バトルがステージを大いに盛り上げたのだ。
この日は女性ふたり/男性ひとりのコーラス、Voicesもジョイントしていたが、3人をバックにしてのじっくりと聴かせるブルース「Hard Hard Miles」、メッセージ・ソング「Love Love Love」もレイテスト・アルバムから。
そして、後半の最後はシカゴ・ブルース・シーンのスタンダード、ウィルソン・ピケットのヒット作として知られる「Mustang Sally」(オリジナルはサー・マック・ライス)。
エキサイティングなムードの中、俊介が聴衆をグイグイと引っ張っていく。
思わずブーガルーをダンスしたくなってしまった。
ライヴならではのロング・ヴァージョン!
もちろんアンコールにも応えてくれた。
ここでスペシャル・ゲスト。
カルフォルニア出身、現在は日本在住のブルースマン、ハイ・タイド・ハリスだ。
俊介とは初のセッション。
「Drink Muddy Water」「Reconsider Baby」を披露。
60歳を超えているけどまだまだ元気いっぱいのハイ・タイド、パワフルなギターとヴァーカルを堪能させてくれた。
俊介とのジョイントぶりも完璧で、シカゴのブルース・クラブのような雰囲気。久しぶりにハイ・タイドの演奏に接した。
特に「Reconsider Baby」後半でのふたりのバトルはエキゾチックで味わい深いものだった。
そしてファイナルは、菊田俊介は栃木県宇都宮生まれということで「餃子ブルース」!
ブルース・ギターの素晴らしさが十分に噴出した≪Rising Shun Japan Tour 2008≫@JIROKICHIだった。
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