Yosuke Miyake vs. Raven Otani
 ギター・ファン待望の『ライブ六弦心』。各ギタリストの個性を生かしたアルバム収録曲と、共演者たちが互いに楽しんでいるのも伝わってくる数々のセッションを交え、ギターの魅力満載の楽しいショーが展開された。

photo photo photo photo photo

 初日は、いずれ劣らぬ凄腕ロック・ギタリストが集結してド迫力のハード・サウンドと壮絶な速弾きバトルで会場を沸かせたROCK DAY。D_DriveのYukiとSeijiは若手ながら堂々と、高度なテクニックと絶妙のコンビネーションを披露するだけでなく、ベテラン勢とのセッションでも、それぞれ一歩も引けを取らなかった。原田喧太は、妖艶さも醸しながら骨のあるガツンとくるロック・ギターでアピール。衰えることのない超絶・速弾きテクで唸らせる“ジェット・フィンガー”横関 敦と山本恭司のツイン・ギターは、ヘヴィなサウンドの中、両者の緻密なプレイで奏でるハーモニーでも聴かせた。

 お楽しみのビンゴ大会で一息入れた後は、巨漢・青木秀一がパワフルかつテクニカルなロック・ギターと熱気あふれるパフォーマンスで迫り、ゲストとして登場した盲目のギタリスト・田川ヒロアキは独特な左手のポジションから繰り出す個性的なフレーズと高速スウィープ奏法により、ハードなサウンドの一方で繊細な表情も見せる。ジャジーなテイストたっぷりのギターを披露した梶原 順も安定感のあるテクニックと存在感で魅了した。

ラストの盛り上がりはゲストに斉藤光浩を迎えたBOW WOWセッションで、ブルース・セッションから始まり、続けて、じつは高校時代にBOW WOWをコピーしていたという梶原を加えたトリプル・ギターでエキサイティングな2曲を披露。さらに、総勢9人のギタリストがステージ狭しと並んだアンコールの「Purple Haze」は、凄まじいソロの掛け合いで個々が存在感を主張しつつ、単に弾き倒すというのではなく、一方で、しっかり計算されたギター・オーケストレーションも聴かせるという見事な共演だった。

photo photo photo photo photo

9/21(Sat) ROCK DAY Open/16:00 Play/17:00

1:君が代(山本恭司)
2:早春賦(山本恭司)
3:どこかで春が(Seiji & Yuki)※from D_Drive
4:Session(原田喧太 Yuki) ※「Savoy」
5:夕焼け小焼け(原田喧太)
6:Session(Seiji 横関 敦)※「The Blister」
7:ずいずいずっころばし(横関 敦 山本恭司)
8:Session(原田喧太 山本恭司 横関 敦)※「20th Century Boy」
9:おぼろ月夜(青木秀一 河村論司/Key)
10:Session(田川ヒロアキ 山本恭司 青木秀一)※「Black Night」
11:Ave Maria(田川ヒロアキ 山本恭司)
12:仰げば尊し(山本恭司)
13:夏は来ぬ(梶原 順)
14:Session(斉藤光浩 山本恭司)※ブルース・セッション
15:Session BOW WOW -(斉藤光浩 山本恭司 梶原 順)
※「Silver Lightning」「Signal Fire」
※アンコール:
(全ギタリスト)「Purple Haze」
(山本恭司)「蛍の光」


photo photo photo photo photo
 CROSSOVER DAYは、ジャズ、フラメンコ、クラシック、フージョンなどのジャンルが交錯し、さらにバラエティ豊かなギター・ワールドが展開された。鈴木 茂の味わい深いスライド・ギター、E-BOWを使った山本恭司の尺八ふうサウンドのほか、全体的に哀感や郷愁が漂うギター・サウンドが心地よく広がる。
小沼ようすけ、ICCOU、木村 大、天野清継、山本らが奏でるアコースティック・サウンドの妙も印象深かった。アコギによるセッションは、鮮やかなテクニックの応酬に目を見張るばかりであるとともに、各ギタリストのタイム感や息づかいまでもがアンサンブルを織りなしているようで、只々、魅了された。中でも、木村、天野、ICCOUによる名曲「Spain」はスリリングな掛け合いが圧巻だった。また、ソロ、セッションとも、バンドを伴わずギターのみで演奏するシーンも多かったが、一つの楽器だけでこんなに多彩で奥行きのある音世界を堪能させるとは…ギターという楽器の幅の広さ、奥深さ、といったものを実感させてもらった気がする。

 ビンゴ大会を挿み、後半もベテランが立て続けに登場して深みのあるギター・ワールドへと誘いながら佳境へと向かう。前半もそうだったが、セッションではギターの掛け合いという形で奏者同士がコミュニケーションを楽しんでいるようでもあり、ムードも最高。そして盛り上がりのピークは、やはり、野呂一生と安藤正容、それに山本も加わって、カシオペアとT-SQUAREの代表曲をメドレーで持ってきたラスト・セッション。客席も総立ちとなった。さらには、その熱気も冷めやらぬ中、この錚々たるメンツでロック(!?)という、まさにワイルドなアンコール。じつに壮快だった。

 なお、2日間にわたりサウンドの土台を支えたバック・バンドの存在も、素晴らしいショーの実現には欠かせなかった。山本恭司との親子競演が話題となっていた山本真央樹の類希な感性とテクニックが光るドラム・プレイが喝采を浴びたことにも触れておこう。

photo photo photo photo photo

9/22(Sun) CROSSOVER DAY Open/15:00 Play/16:00

1:君が代(山本恭司)
2:Generations(山本恭司)※ソロ・アルバム『TIME』より
3:紅葉(鈴木 茂 山本恭司)
4:Session(鈴木 茂 山本恭司 ICCOU)※「Stratus」
5:われは海の子(小沼ようすけ)
6:Session(山本恭司 小沼ようすけ)※「Take Five」
7:さくらさくら(ICCOU 木村 大)
8:Session(木村 大 天野清継 ICCOU)※「Spain」
9:竹田の子守唄(木村 大 山本恭司)
10:Session(天野清継 山本恭司 小沼ようすけ)※「Little Wing」
11:浜辺の歌(野呂一生 & 天野清継)※お気楽ギグ
12:海(安藤正容)
13:Session(安藤正容 野呂一生 山本恭司)※「ASAYAKE」~「Truth」
※アンコール:
(全ギタリスト)「Born To Be Wild」
(山本恭司)「蛍の光」

ミュージシャン
石黒 彰:Key 二家本亮介:B 山本真央樹:Ds

六弦心 ROCK DAY 出演ギタリストインタビュー

photoSeiji(D_Drive)
photoYuki(D_Drive)
photo原田喧太
photo横関敦
photo田川ヒロアキ
photo梶原順
photo青木秀一
photo斉藤光浩


六弦心 CROSS OVERDAY 出演ギタリストインタビュー

photo木村大
photo鈴木茂
photoICCOU
photo小沼ようすけ
photo天野清継
photo野呂一生
photo安藤正容

六弦心 山本恭司インタビュー

photo山本恭司
アンカー