ギブソン・カスタム・ショップから、レスポールの新しいモデルがリリースされた。
ヒスコレをベースに、コレクターの間で人気の高い名器の再現を目指したということで、「The Collector's Choice」と名づけられているこのモデル、どうやらシリーズ化を目指しているようで、今回のものには#1とナンバリングされた。
#1は2ラインナップあり、1つは著名なコレクターである(らしい)Melvyn Franks氏の名前がついたもの、もう1つはGary Mooreのネームがついている。
違いはフィニッシュのレリック加減で、前者はVOS、後者はAgedとなっている。
Melvyn Franks VOS
Gary Moore Aged
スペックは以下の通り。
ボディ:メイプルトップ、1ピース・マホガニー・バック
ネック:1ピース・マホガニー、ローズ指板、パーロイド・インレイ 59プロフィール
ピックアップ:バースト・バッカー(ネック・ピックアップは逆ポジション、逆フェイズ)
電気系:CTSポット、バンブルビー・キャパシター
ペグ:スパーゼル
フィニッシュ:ニトロセルロース、アンバースト・フィニッシュ
<Gibson U.S.Aサイトの該当楽器のページ>価格はVOSモデルの希望小売価格が9174ドルと結構なものだが、実はすでに日本でも発売しており、実勢価格は50万円台後半となっている。これも円高の恩恵だろうか。
クラシック・ロック・ファンならご存じの通り、もともとこのギターはゲイリー・ムーアがフリートウッド・マックのピーター・グリーンから譲り受けたギターであり、むしろオリジナル・ネーミングとしてはピーター・グリーン・モデルと名づけるのが正しい。
フロント・ピックアップを逆さまに装着したフェイズアウト・レイアウトから生まれた名曲の数々はフリートウッド・マックの方がゲイリーのそれよりはるかに数多い。
「絶対に手放すなよ」とピーターに託されたにもかかわらず、コレクター氏に売却したその金額は200万ドルともいわれていて、まあ仕方ないかな、と思うけれども、今回のリリースにあたり、ピーターの「ピ」の字も出てこないのはちと淋しい気がする。
もし購入のチャンスがあったら、ペグはグローバーにつけ替え、リアのボリューム&トーン・ノブはトップ・ハットに戻して使いたいという人も多いのではないだろうか。